がん細胞が抗がん剤による刺激を受容した際に数秒から数分の間に生じる細胞内Ca2+濃度の変動、Ca2+シグナルに着目した。Gefitinibなどの分子標的薬はCa2+シグナルを誘導しなかった。一方、5-フルオロウラシルはCa2+シグナルを誘導することや、薬剤耐性株では親株と比較してCa2+の排出速度が速いことを見出した。Ca2+ポンプの発現が高いことが考えられたため、siRNAでPMCAファミリーのCa2+ポンプの発現量をノックダウンすると薬剤耐性株のCa2+シグナルが親株と近似したことから、PMCAファミリーのCa2+ポンプが薬剤耐性株の特異なCa2+の排出速度を規定していたことが示唆された。
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