悪性腫瘍の浸潤による癌性疼痛が知られている。グリア-神経細胞関連のメカニズムをより深く解明するため舌癌モデルラットにおいて三叉神経脊髄路核尾側亜核(Vc)に発現するP2X7受容体ならびにPannexin1(Panx1)がいかなるメカニズムで舌癌性疼痛発現に関与するかを検討した。その結果、舌癌性疼痛発現時には、Vcの表層に出現した活性型マイクログリアにおいてPanx1が発現し、このチャネルを通して放出されたATPが侵害受容ニューロンのP2X7受容体に結合することによって侵害受容ニューロンの活動が亢進し、舌癌性疼痛が発症する可能性が示された。
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