現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験系の確立にやや時間を要したがin vitroでの解析を進めている。 ① in vitro系でのGPR68発現評価およびpH応答性解析:ヒト肝癌切除標本より樹立したCAFおよびLx-2(ヒト肝星細胞株)においてタンパクレベル(Western blot)においてGPR68が発現することを確認した。次にpH応答性を解析するため、培養液をpH7.2~6.4まで5段階に調整し、弱酸性pH刺激によるCAFおよびLx-2の発現を解析した。肝癌CAFにおいて、弱酸性刺激によりGPR68はタンパクレベルにて減少したが、mRNAレベルにおいては発現増加を認めた。肝癌CAFの増殖能を検討したところ、弱酸性刺激後48時間においてに、増殖能の有意な低下を認めた。Lx2についても同様の検討を行ったところ、タンパクレベルおよび増殖能について、弱酸性刺激による有意な低下を認めた。② GPR68抑制による効果の検証 :GPR68をsiRNAで抑制し、サイトカイン(IL-6, CCL-2, Osteopontin, Angiogenin, IL-8)産生の変化を検証した。GPR68を抑制すると、IL-6, Osteopontin, Angiogenin, IL-8の産生が有意に抑制された。③ GPR68抑制による肝癌細胞の機能解析:GPR68をsiRNAで抑制したCAFの培養上清を用いて、肝癌細胞株(HepG2,PLC)の増殖能を検討した。GPR68を抑制すると、CAFによる肝癌細胞増殖抑制効果が抑制された。またGPR68抑制によりCAFの浸潤促進効果が抑制された。
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