本研究では、播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation: DIC)を合併した胃癌を対象として、臨床病理学的特徴の比較と網羅的な遺伝子発現状態に基づく解析を行った。その結果、骨転移を有しており、かつ初診時に血液検査で血液凝固に関連した値の異常を認める場合は、DIC併発の高リスクであることが明らかとなった。また、遺伝子発現状態に基づく解析結果から、DICを併発した胃癌は特に予後が不良である群と相対的に予後が良好である群の2群に分かれることが示され、各群で特徴的な遺伝子発現異常を標的とした治療戦略の樹立につながる可能性が示唆された。
|