研究課題/領域番号 |
20K16379
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
西山 明宏 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (80770172)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | BRAF V600E / 甲状腺がん / 甲状腺未分化がん / 臓器横断的 |
研究実績の概要 |
甲状腺未分化がんは多くの癌腫の中でも特に悪性度が高い。BRAF V600Eは臓器横断的なドライバー遺伝子変異であり、肺がんと悪性黒色腫では、それらに対する分子標的薬が使用できる。甲状腺未分化がんでは、BRAF V600陽性の割合が4割程あるが、本邦では使用できない。現在、承認獲得のために治験が実施されており、近い将来に使用できると期待している。
我々は頸部リンパ節より樹立したBRAF V600E陽性甲状腺未分化がん細胞株に加え、別の患者の悪性胸水よりBRAF V600E陽性甲状腺未分化がんの細胞株の樹立に成功した。 研究室で以前より保管している、BRAF V600E陽性甲状腺がん細胞株2種類を追加し、BRAF阻害薬とMEK阻害薬の併用療法における耐性機構解明に取り組んでいる。
問題点としては、BRAF阻害薬とMEK阻害薬の併用療法における耐性誘導が想定以上に困難であったこと。現時点でも耐性株の樹立には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
併用療法の耐性株樹立が想定以上に困難であるため。
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今後の研究の推進方策 |
in vivoで耐性誘導を試みる。具体的には皮下腫瘍モデルを作成し、2剤をマウスに経口投与させる。また、甲状腺未分化がん細胞株において併用療法の耐性機序を詳細に示した報告は少なく、是非完遂したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の進行が遅れ、また実験に割く時間が減少したため。
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