本研究で、新たにエクソソーム中miR-130a-3pが、複数のヒト肺がん細胞株においてオシメルチニブ耐性を誘導することを示した。エクソソーム中miRNAは、病態を表す低侵襲な診断ツールとして期待されている。がん細胞が放出するエクソソームは血中に移行し、全身を循環すると考えられており、血中のmiR-130a-3pはEGFR-TKIの薬効を予測する新規バイオマーカーとなりうる可能性があり、肺がん薬物療法の個別適正化・医療経済効果への波及も考えられる。また、miR-130a-3pを標的とした新規治療法の開発は、EGFR-TKI耐性の克服にも寄与する可能性もあり、今後の更なる研究の発展に期待される。
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