本研究は、独自開発した水溶性リンポルフィリン錯体 (Ptpp) を用いた光線力学的療法 (PDT) における胆道癌細胞株 (NOZ) への細胞傷害作用の薬物動態および分子機構を明らかにした。Ptppの細胞内局在は、主にミトコンドリアへ集積することが分かった。さらに、Ptppを用いたPDTによる細胞死の形態は主にアポトーシスであった。アポトーシス誘導の分子機構は、Bax/Bcl-xL比の上昇によりCytochrome cが放出され、Caspase-3の活性化が誘導されることを明らかにした。本研究により、Ptppを用いたPDTが胆道癌に対して有用であることが示唆される。
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