研究課題/領域番号 |
20K16398
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
西野 将矢 近畿大学, 医学部, 助教 (40709664)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肺癌 / EGFR変異陽性肺癌 / EGFR エクソン20挿入変異 |
研究実績の概要 |
本邦の癌死因の一位は原発性肺癌である。肺癌の治療においては手術、放射線などの局所療法だけでなく、化学療法や免疫療法、特定の遺伝子変異を有する肺癌に対する分子標的治療薬による治療など、その治療選択は多岐にわたる。しかしながら、肺癌における治療対象となる遺伝子変異で最も代表的なEGFR遺伝子変異陽性肺癌の中でも一部においては分子標的治療薬による治療の恩恵を得られていないものも存在する。その代表例がEGFRエクソン20挿入変異である。 我々は、EGFRエクソン20挿入変異陽性肺癌に対する治療戦略の模索として、マウスpro-B細胞であるBa/F3細胞に各EGFRエクソン20挿入変異を遺伝子導入し腫瘍細胞モデルの構築を行った。さらに、EGFRエクソン20挿入変異に対して、有効性が期待される第2世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるtarloxotinib-Eの有効性を評価した。また、本薬剤と同様にEGFRエクソン20挿入変異陽性肺癌に対して有望視されている第2世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるpoziotinibに関する感受鵜性評価を行った。さらには、ENUを用いた耐性化二次変異に関するスクリーニングを行った(Nishino et al. Thorac Cancer. 2021)。基礎的実験ではあるがEGFRエクソン20挿入変異を有する肺癌に対する治療戦略および耐性化に関する提言を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
EGFRエクソン20挿入変異を有する肺癌モデル細胞に対して有効性を有する薬剤と耐性化二次変異に関して明らかにできた。
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今後の研究の推進方策 |
耐性化二次変異に対する有効薬剤の模索をする。耐性化の克服法を検討する。
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