植込型左室補助心臓(LVAD)を用いた治療において、ADAMTS13の過剰活性により生じる出血合併症は、同治療を実施している臨床現場において重篤な合併疾患として認識されているものの、有効な治療法はいまだ確立されていない。本研究では、既存の抗マウスADAMTS13抗体A10の臨床応用を目的としてヒト化A10抗体を作製した。LVADを用いた治療の症例は増加傾向にあることから、作製したヒト化抗体の臨床応用を目指している本研究の社会的意義は極めて高いといえる。また本研究では、抗原-抗体結合の分子機序を抗体の構造類似性の観点から検証したことから、関連する研究分野において新たな知見を提供することができた。
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