研究課題
慢性活動性EBウイルス病(CAEBV)は治療抵抗性EBウイルス陽性T, NK細胞腫瘍である。CAEBV患者は高率に血管障害を合併することが報告されている。血管障害は血流低下による臓器障害、動脈瘤による出血に加え、凝固障害も来し、死因の主な原因の一つである。これまでの研究で実施したサイトカインアレイ解析により、炎症性サイトカインであるIL-1βが、血管病変を合併した患者の血漿中で高発現しており、血管病変を発症していない患者では発現していないことを明らかにした。この結果から、CAEBVにおける血管病変発症には、IL-1βが寄与していると考え、IL-1βが血管内皮細胞に与える影響を、ヒト臍帯静脈内皮細胞株を用いたin vitro実験により検証した。本実験により、IL-1βは血管内皮細胞の細胞増殖を抑制すること、凝固促進因子である組織因子(TF)とPAI-1の発現を亢進すること、抗凝固因子であるトロンボモジュリンの発現を抑制すること、凝固活性を亢進することを明らかにした。さらに、サイトカインアレイ解析の結果から、IL-1β以外のいくつかの液性因子にも着目し、CAEBVに併発する血管病変のより詳細なメカニズム解析を実施すると共に、CAEBVの病態との相関に関しても検証を行った。研究成果は2021年に開催された19th International Symposium on Epstein-Barr Virus and associated diseases、2022年に開催された第81回日本癌学会学術集会、第84回日本血液学会学術集会、12th AACR-JCA Joint Conferenceなどで発表した。さらに、国際紙"Frontiers in Microbiology"にて発表した。
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Frontiers in Microbiology
巻: 13 ページ: 874998
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Frontiers in Virology
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10.3389/fviro.2022.999929
Journal of St. Marianna University
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