本研究助成により次の研究成果を得た。まず、膵癌細胞にC3ARが発現しリガンドであるC3a添加により細胞の増殖能や浸潤遊走能が亢進する事を明らかにした。次に膵癌細胞質C3が発現し上皮間葉転換に関与している事を報告した。また、膵癌微小環境におけるC3AR発現が膵癌に与える影響についても併せて検討し、C3ARが膵癌組織内に発現するC3ARが各種免疫細胞、特にM2マクロファージや制御性T細胞の腫瘍内浸潤を促進している事が分かった。C3ARは新規免疫チェックポイント分子である可能性があり、治療標的となり得るか検討する余地がある。
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