現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年から2021年までの、当院で初回治療を行った子宮頸部腺癌症例から18検体を得た。対照は、同時期の子宮頸部扁平上皮癌と正常組織を使用した。治療開始前の検体組織(新鮮凍結標本)に発現している遺伝子異常をBCAR4、CD274、PDCD1LG2、KRAS、ARID1A、PTEN、ALK、EGFR、ROS1、BRAF、PIK3CA, EP300、FBXW7、SHKBP1、TGFBR2、TGFBR2 、SMAD4、ERBB3、ERBB2、KLF5でゲノムシーケンスの測定・解析を行った。
結果、子宮頸癌細胞では正常組織と比較してALK, ROS1, EGFR, TGFBR2, ARID1A, BRAFの遺伝子異常が多いことがわかった。なかでも頸部腺癌腫瘍細胞ではALK, ROS1,EGFRが高頻度に遺伝子異常がin vitroで認められた。これらの遺伝子変異プロファイルをサブタイプ別に比較したところ、Type1・2で発現に差を認めたが、統計的有意差には至らなかった。予後不良のType2子宮頸部腺癌では、EP300, PTEN, FBXW7, およびKARASの遺伝子発現頻度が高い傾向があった。
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