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2020 年度 実施状況報告書

血中エクソソーム解析による乳癌骨転移バイオマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K16426
研究機関東京医科大学

研究代表者

宮原 か奈  東京医科大学, 医学部, 講師 (90532391)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード乳癌 / 骨転移 / エクソソーム / バイオマーカー / マイクロRNA
研究実績の概要

乳癌は、新規治療薬により予後は改善しつつある一方、一度転移再発すると治癒を目指すことは困難である。乳癌の遠隔転移部位として最も頻度が高いのが骨であり、骨転移は比較的予後良好なホルモン陽性乳癌で多く発症し、初期治療から5年以上経過した後に再発する、いわゆる晩期再発を来たすことも多い。乳癌骨転移は疼痛、骨折など様々な骨関連事象を引き起こし、QOLを著しく低下させる。乳癌骨転移に伴う、“生命予後の増悪”および“QOLの低下”を解決するためには、早期に骨転移を発見し治療を導入することが臨床上極めて重要であるが、そのためには、乳癌骨転移の早期発見バイオマーカーを開発することが不可欠である。しかしながら現時点でそのようなバイオマーカーは存在しない。
本研究の目的は、進行・再発乳癌患者の血清検体を用いて、エクソソームに含まれる特定のマイクロRNAの発現を解析することにより、乳癌骨転移に特異的なバイオマーカーを明らかにすることである。
乳癌骨転移に特異的なバイオマーカーを同定するためには、乳癌骨転移患者だけではなく、無再発乳癌との比較が必要である。そのため、現在、コホート(Ⅰ)術後無再発乳癌患者、コホート(Ⅱ)術後骨単独転移乳癌患者、コホート(Ⅲ)術後骨転移以外の遠隔転移乳癌患者の、全3コホートにおける乳癌患者血清検体を、当院を含めた4施設において収集している。
同時に、当院において収集した一部の患者血清検体から抽出した血中エクソソームを用いて、RNAシーケンサーによる骨転移特異的なマイクロRNAを探索している段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画当初は、全3施設で患者血清検体の収集を行う予定であったが、現在、参加施設を追加して、さらなる収集を進めている。同時に、収集した一部検体の血中エクソソームを用いたRNAシークエンサーによるマイクロRNA探索を進行中であり、研究はおおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

引き続き、多施設において、患者血清検体の収集を進めていく。血中エクソソームを用いたRNAシーケンサーによる、骨転移単独乳癌患者のみに特異的に発現しているマイクロRNAを探索する。次に、候補となるマイクロRNAについて、PCR法を用いて、骨転移単独乳癌患者においてのみ特異的に発現していることを確認する。
さらに、臨床病理学的因子と同定されたマイクロRNAの相関性を解析する予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響により、外来来院患者数が一時的に減少したこともあり、研究開始直後の患者登録が計画当初より遅れてしまった。それに伴い今年度施行したRNAシークエンスの検体数が予定より少なかったことが、本年度の使用額が少なかった第一の原因である。現在、参加施設を追加して症例登録を進めていることから、次年度に繰り越した費用に関しては、追加検体に対するRNAシークエンス費用として使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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