研究課題/領域番号 |
20K16448
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
中島 千穂 佐賀大学, 医学部, 助教 (40858502)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | cfDNA / 肺がん / 免疫チェックポイント阻害薬 |
研究実績の概要 |
circulating free DNAの量・質と抗腫瘍免疫の関係性をスクリーニングするため、当院バイオバンクにて保管された進行肺がん患者血漿を用いて以下を行った。 ① Quantus ONE dye dsDNA kitを用いたcfDNA濃度測定:免疫チェックポイント阻害薬を使用した進行肺がん患者を対象とした。結果、非小細胞がんに比較して小細胞がんでのcfDNA濃度上昇、遠隔転移巣が数が多い症例でcfDNAの濃度上昇を認めた。 ② Bioanalyzer high sensitivity kitを用いたcfDNAサイズ分布測定:①で測定したcfDNAのサイズ分布を測定した。結果、cfDNA濃度上昇の大きい一部症例で5Kb相当のLong fragment DNAの存在を確認した。 ③ 後方視的カルテ調査:②で検出されたlong fragment DNAを持つ症例と、持たない症例でカルテ調査を行ったところ、Long fragment DNA検出例ではCRPが高く、ALBが低い傾向があったが、PD-L1発現状況には大きな変化が見られなかった。現在も症例を蓄積中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症に対する診療面での負担が増え、研究活動に従事する時間的余裕が減少したこと、また学内の新型コロナウイルス感染症対策の一環として、学内研究機器について一時的に利用制限が設けられたことでcfDNAのサイズ分布解析が中断した経緯があったため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は進行肺がん患者血液を用いたlong fragment cfDNAの起源の探索を行う予定であり、前向き試験を計画し、進行肺がん患者の血漿を取得し、CD9/CD63 ELISAを用いてExsosomal DNAを定量・抽出の上、その濃度とサイズ分布を測定、定量値との相関を検討する。また、培養液内への様々なcfDNAの添加により、細胞質内DNAセンサーであるcGAS/STING経路の活性化、結果としてのインターフェロンγの産生に変化が生じるかを、In Vitroで検討する予定である。
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