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2022 年度 実施状況報告書

lncRNAを基盤とした神経変性疾患に対する核酸医薬シードの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K16452
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

米田 竜馬  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00734881)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードlncRNA / LLPS / FUS
研究実績の概要

本年度は、神経変性疾患の原因の一つとされる、FUSの細胞質での異常凝集体を分散させるRNA配列の同定、さらにその効果の検証を行った。RNA結合タンパク質であるFUSは、本来であれば核内で働くタンパク質であるが、変異やストレス、加齢といった要因で細胞質に局在を移す。その結果、液-液相分離を介して、細胞質で周りのタンパク質などを巻き込みながら、凝集体を形成する。この凝集体が蓄積することで細胞がアポトーシスを起こし、神経変性疾患へとつながると考えられている。細胞にストレスを与えFUSの凝集体を形成させる前後にRNAを添加すると、FUSの凝集体を分散させることができた。また、RNA修飾の一つであるm6A修飾の入ったRNAほど、FUSに結合しやすいという結果を得て、FUSのm6A修飾認識タンパク質との可能性についても検証した。FUSとRNAとの結合についての論文を1報、そしてFUSとRNAのメチル化クロストークについての発表を、第45回日本分子生物学会年会におけるワークショップで行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

RNAによるFUS凝集体の分散が、凝集体形成後にRNAを添加することによっても分散できることを明らかにできた。またFUSに結合する新たなlncRNAの探索を行った論文を共著者として発表した。ただ得られたRNA断片をより効果的にする修飾や配列の追加が思うように進まなかった。

今後の研究の推進方策

本年度までの研究で、FUSと相互作用して細胞の増殖を抑えるRNA配列、そして逆に促進するRNA配列を得た。今後はこれらの配列の普遍性やその作用機序について細かく解析していく。

次年度使用額が生じた理由

RNA断片の配列や修飾を変化させることで、細胞増殖への影響を見る予定だったが、外注するRNA断片の納期が長く、年度内に納品および実験が間に合わないと判断したため。今後は遅れている上記の実験や論文発表に繰越した研究費を使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of Long Noncoding RNA Recognized by RNA-Binding Protein TLS/FUS: Purification of RNAs by Affinity Chromatography of GST-TLS2022

    • 著者名/発表者名
      Naomi Ueda, Ryoma Yoneda, Riki Kurokawa
    • 雑誌名

      Biomedical Sciences

      巻: 8(4) ページ: 144-156

    • DOI

      10.11648/j.bs.20220804.15

    • 査読あり
  • [学会発表] TLS/FUSのm6A修飾readerとしての可能性2022

    • 著者名/発表者名
      米田竜馬、上田奈緒美、黒川理樹
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会

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公開日: 2023-12-25  

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