研究課題
若手研究
本研究は、ビッグデータの解析、in silico予測および細胞実験により、抗精神病薬が乳がんの発症や増悪に及ぼす影響を解析した。本邦の医薬品副作用データベースを用いて不均衡分析を行った結果、乳がんにおいて3種類すべてのシグナルが検出された抗精神病薬は無かった。また、抗精神病薬がエストロゲン受容体陽性ヒト乳がん細胞(MCF-7)の増殖に及ぼす影響を評価した結果、ブロナンセリンがMCF-7増殖抑制作用を有することが明らかになった。
医療薬学
本研究は、ビッグデータの解析、in silico予測および細胞実験による検証を用いて、抗精神病薬が乳がんの発症や増悪に及ぼす影響を評価した。その結果、ブロナンセリンがエストロゲン陽性ヒト乳がん細胞に対して増殖抑制作用を有することを明らかにした。ブロナンセリンは本邦で開発された非定型抗精神病薬であり、内服薬の他に貼付剤も使用されている。今後、作用機序や他の乳がん細胞に対する影響等を明らかにすることで、抗精神病薬の選択の際に考慮すべき作用となる可能性がある。