研究課題/領域番号 |
20K16457
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
大杉 治之 関西医科大学, 医学部, 助教 (80826884)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 淡明細胞型腎細胞がん / PBRM1 / 再発予測 / 免疫組織化学検査 |
研究実績の概要 |
淡明細胞型腎細胞がんの組織標本を用いてPRRM1の免疫組織化学検査を施行し、その発現を確認した。同タンパク質の発現の有無で解析した結果、限局性淡明細胞型腎細胞がんの再発予測に非常に有用であるマーカーであることが示された。既存の他の病理学的因子を組み合わせ、限局性淡明細胞型腎細胞がんの再発予測モデルを構築した。我々が提唱したモデルは、過去に報告のあった再発予測モデルより、その正確性が優れていた。さらにPBRM1は腎細胞がんの治療に近年注目されている免疫チェックポイント阻害剤の治療効果に関わることが示されており、我々の予測モデルは、術後再発を予防するadjuvant治療の選別にも役立つ可能性が示された。 本内容は、米国泌尿器科学会および欧州泌尿器科学会の演題に採択され、発表を行った(Web開催)。また、同内容の論文、The SSPN Score, a Novel Scoring System Incorporating PBRM1 Expression, Predicts Postoperative Recurrence for Patients with Non-metastatic Clear Cell Renal Cell CarcinomaをAnnals of surgical oncologyに投稿し、掲載されている。 今後、不均一な淡明細胞型腎細胞がんを分類する有用なタンパク質のマーカーの模索を検討している。さらには、治療効果を予測することが可能かを検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究テーマが、競争率の激しい米国泌尿器科学会および欧州泌尿器科学会の演題に採択された。 また論文投稿を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
新たなタンパク質を模索する。 さらには、治療効果を予測するマーカーを模索し、遺伝子解析も進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は遺伝子解析の機器を購入する必要がなく、購入しなかったが、2021年度は購入予定としている。
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