今後の研究の推進方策 |
今年度は、令和3年度の成果に基づき、引き続きGMPを模したCART細胞製造法の検討を行う。また、患者由来細胞からの試験樹立に関しては、樹立そのものの検討に加えその機能の詳細を解析する。CD19CART細胞を対照とし、CCR4CART細胞の遺伝子導入効率、製造効率(T細胞の増幅率)とともに、製造産物の表現型(CCR7, CD45ROによるメモリー表現型やT-bet、EOMES, ROR-gt, FoxP3などによるヘルパーT細胞サブセット)、T細胞疲弊化マーカー(PD1、Tim3、LAG3)の発現、および、CCR4抗原刺激およびPMA/Ionomycin の最大刺激によるサイトカイン産生能を評価する。 また、同系腫瘍モデルをもちいた詳細検討をすすめる。mCCR4陽性腫瘍細胞株であるRENCA細胞を同系移植したB6マウスをmCCR4CART細胞にて治療を行う。CART細胞の抗腫瘍効果を①と同様に評価するとともに、腫瘍微小環境を構成するTreg、マクロファージ、樹状細胞、骨髄球系抑制細胞 (MDSC)の浸潤数および表現型をFCM、IHCやマスサイトメトリー(CyTOF)を用いて解析する。加えて、Tregの減少による自己免疫応答やoff-tumor toxicityを評価する為、一群のマウスの各臓器への傷害を肉眼的・組織学的にて検討する。毒性が存在すればその臓器特異性や浸潤細胞の特性をFCM、IHCにて評価する。
|