研究実績の概要 |
2022年度は、2021年度に開発した脳波から情報の解読を行うための機械学習アルゴリズムについて大阪大、九州大、国際電気通信基礎技術研究所と実証実験を進めた。また、当該アルゴリズムについての特許出願の準備を進め、出願を完了した。 2021年度の報告書に記載の通り、開発した手法は2020年に共同研究先である大阪大のグループによって発表された先行研究(Shiraishi et al., Journal of Neural Engineering, 2020)に基づいている。この機械学習アルゴリズムを用いることで従来法に比べ、高精度に脳波からの情報解読を行うことができる。しかし、必要とする計算時間が長く、リアルタイムに情報解読を行うことは不可能であった。2021年度、2022年度を通し、本研究課題ではその手法の弱点である計算時間を1000分の 1以下に短縮し、リアルタイムに適用できるように改善した。この高速化によりブレイン-マシン インターフェースへの搭載も可能となり、また、現実的な時間内の処理でより多くの訓練データを使用できるため、ビッグデータとの組み合わせによるさらなる解読精度向上が期待できる。 また、2023年度は上記を含む2021年度、2022年度に開発を行った諸所の機械学習アルゴリズムに関する招待講演を1件、国際学会における研究発表を1件、解説記事の執筆を1件行い、本課題において開発した機械学習アルゴリズム、及び、量子インスパイアドアルゴリズムの普及に努めた。
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