• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

皮質脳波ビッグデータと深層学習を用いた視覚認知内容推定精度の向上

研究課題

研究課題/領域番号 20K16466
研究機関大阪大学

研究代表者

福間 良平  大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (20564884)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードBrain-Machine Interface / 皮質脳波
研究実績の概要

機械学習技術の発展により脳活動から人の視覚認知内容を推定することが可能となった。侵襲性の比較的低い脳活動の計測方法である皮質脳波にこの技術を適応することで、筋萎縮性側索硬化症の患者さんにとって有効な意思伝達装置の開発につながると考えられる。しかし、既存の方法での視覚認知内容の推定精度は不足しており、精度を改善する新たな手法が必要とされている。
本研究では自由行動下での皮質脳波に着目して推定精度の向上を試みた。近年急速に発展してきた深層学習(Deep learning)では、 Deep Neural Network (DNN)の学習に大量のデータを必要とするが、自由行動下での皮質脳波は患者さんがタスクを行うこと無しに計測できるため比較的大量のデータを取得できるためである。すなわち、大量の自由行動下の皮質脳波を用いてDNNモデルを教師無しで学習し、学習されたモデルを皮質脳波の特徴量抽出器として用いることで、少量しか計測できない視覚認知タスク下での皮質脳波からの特徴抽出を行い、その視覚認知内容の推定精度向上を試みた。
既存のDNNは主に画像を対象とするものであるため、高時間分解能な波形を対象とするDNNを新たに開発した。また、所属する研究室でこれまでに計測した自由行動下の皮質脳波を用いて、このDNNモデルの学習を行った。さらに、学習したDNNモデルを用いて、視覚認知タスク下での皮質脳波の特徴抽出を行い、刺激の推定精度を算出した。既存手法での推定精度と比べた場合、本研究で提案した手法で算出された成績の方が高くなる傾向があることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新しいDNNの開発と学習に成功し、既存手法と比べて成績が上昇する傾向にあることが明らかにできたため。

今後の研究の推進方策

今回、自由行動下で計測された皮質脳波を用いることで、視覚認知内容の推定精度を向上できることが明らかになった。今後は開発したDNNの改良とパラメータチューニングを行い、さらなる推定精度の向上を目指す。また、得られた結果を論文として報告する。

次年度使用額が生じた理由

世界的な半導体不足により計算機の納期が伸びたため。
早急に発注しGPU計算機を購入する予定である。

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi