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2021 年度 実施状況報告書

小脳性運動失調症における自己抗体解析研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K16481
研究機関北海道大学

研究代表者

矢口 裕章  北海道大学, 医学研究院, 准教授 (00421975)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード抗神経抗体 / Sez6l2 / 小脳性運動失調症
研究実績の概要

神経疾患において自己抗体(抗神経抗体)が注目されている。適切な診断と治療のために、自己免疫性小脳失調症の概念と診断方法の確立が必要である。申請者は、平成25年度に科研費(研究活動スタート支援)を拝受し研究を進め、既知の神経抗体が陰性である免疫介在性小脳失調症患者血清より2014年に新規自己抗体の抗Sez6l2抗体を同定した(Yaguchi et al. J Neurol 2014)。2018年には申請者は抗Sez6l2抗体の病原性を分子生物学的に証明した(Yaguchi et al. BBRC2018, Yaguchi et al. J Neurol 2018)。2019年にはドイツから我々の実験データを基として抗Sez6l2抗体陽性の小脳失調症例が追加報告され(Borsche et al.J Neurol. 2019)その重要性が確認された。なお、2021年には欧州の世界最大の抗神経抗体研究グループ(Darumauら)から、免疫が関与する小脳性運動失調症95例中4例(4.2%)が抗Sez6l2抗体による小脳性運動失調症(Landa J et al. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm. 2020)であることを報告され、Sez6l2 Autoimmunityという概念が提示されていることより、日本国内でもcell-based assay (CBA)により複数例の検討が必要である。
本研究では第一に『多数例で抗Sez6l2抗体を測定することで抗Sez6l2抗体陽性者の疾患概念を確立』することが目標である。現時点では、①他施設との共同研究により検体の収集が終了している。さらに、②FLAG-Sez6l2をHEK293Tに過剰発現させ、患者血清と抗FLAG抗体(M5)を用いて、二重染色することで抗体陽性を診断するCBAも確立しており、現在その検討を当教室で施行し、診断精度の微調整を行っている最中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

原因不明で免疫介在性の可能性が考えうる小脳性運動失調症162例を検討し、2例でSez6l2抗体陽性例を認めた。これらはCell based assay(CBA)と免疫ブロット法で共に確認した。同定例を合わせると、またその臨床症状も併せ現在英文論文執筆中であり、早期の投稿を予定としている。

今後の研究の推進方策

本邦においても複数例でSez6l2抗体陽性例が存在することが確認された、現在論文投稿準備中である。またこれらの結果より、より簡便にSez6l2抗体を測定するELISAキットの確立と、Sez6l2抗体以外の同定を試みるため、本研究を発展させ、『研究計画最終年度前年度の応募』項目を利用して、科研費申請を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Sez6l2抗体陽性免疫介在性小脳性運動失調症 についての検討2022

    • 著者名/発表者名
      矢部一郎 ,〇矢口裕章 ,阿部 恵,木村暁夫,下畑享良
    • 学会等名
      令和3年度 厚生労働省科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業) 「運動失調症の医療水準,患者QOLの向上に資する研究班」研究報告会
  • [学会発表] 免疫介在性小脳性運動失調症における抗Sez6l2抗体の検討2021

    • 著者名/発表者名
      阿部 恵,矢口裕章,長井 梓,白井慎一,岩田育子,松島理明,芦田真士,笠井高士,木村暁夫,下畑享良,矢部一郎
    • 学会等名
      第33回日本神経免疫学会学術大会

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公開日: 2022-12-28  

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