研究実績の概要 |
本研究において,エクソソーム解析により①OGD後,PBMC由来のエクソソーム中のmiR-155-5pが低下することを見出した.またwestern blottingにより,②miR-155-5pの阻害によりPBMCからのVEGF発現が増加すること,③OGD-PBMC由来の培地をミクログリアに添加すると,ミクログリアからのVEGF発現が増加し,これはmiR-155-5p阻害によりさらに増強することを見出した.さらに免疫染色より,④OGD-PBMCを脳虚血ラットに投与すると,ラット脳内のミクログリアからのVEGF発現が亢進することを明らかにした.以上から,OGD-PBMCはmiR-155-5p低下を介し,ミクログリアからのVEGF発現を増強することにより,治療効果をもたらすことを明らかにした.以上を論文として報告した(Otsu, Hatakeyama, et al. Neurotherapeutics. 20:1369-1387. 2023). また,投与したOGD-PBMCが低酸素領域に作用するか検討するために,脳虚血モデルラットにOGD-PBMCを投与したのち,低酸素マーカーであるpimonidazoleを投与して免疫染色を実施した.その結果,①OGD-PBMCが低酸素領域に移行すること,②OGD-PBMCは低酸素領域におけるVEGF発現を亢進すること,③OGD-PBMC投与により脳内の低酸素状態が改善することを見出した(論文投稿中).
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