研究課題
若手研究
パーキンソン病(PD)の早期診断のマーカーとしてPDの前駆症状としてレム睡眠行動異常症(RBD)が注目されているが霊長類では報告がない。本研究課題ではマーモセットにワイヤレス脳波・筋電図測定を行うことでレム・ノンレムの同定に成功し、霊長類の長時間睡眠脳波の測定技術を確立した。さらに嗅球や消化管にα-Syn凝集体を接種することで、α-Syn凝集体が脳内へと伝播する霊長類PDモデルの作製し、RBD様症状が出現することを確かめた。
パーキンソン病
これまで睡眠研究は主にげっ歯類を用いて行われてきた。しかしながらげっ歯類の睡眠パターンは夜行性・多相性睡眠であり、霊長類は昼行性・単相性睡眠であることから大きく異なる。このため霊長類での睡眠研究が必要と考えられるが、これまで報告は限定的だった。本研究課題では霊長類での長期睡眠脳波測定を実現した。さらにこの睡眠測定技術を用いて、PDで注目されているRBDの再現に成功した。これらは霊長類での睡眠研究の基礎技術となり、さらにPDの早期診断や病態解明にも役立つものである。