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2021 年度 実績報告書

一次体性感覚野アストロサイトをターゲットとした慢性疼痛治療

研究課題

研究課題/領域番号 20K16510
研究機関名古屋大学

研究代表者

竹田 育子  名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (30746300)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードアストロサイト / 慢性疼痛
研究実績の概要

慢性疼痛は急性疾患後に耐えがたい痛みが続く難治性疾患であり、その根治療法は未だ確立されていない。本研究ではグリア細胞の一種であるアストロサイトに着目し、マウスのおける一次体性感覚野(S1)の疼痛関連神経回路をアストロサイトの活動調節による新たな回路に組み換える慢性疼痛の根治療法を確立した。
傷害急性期においてS1アストロサイトの活動は一過性に亢進し、シナプス再編因子を分泌し、S1の神経回路を疼痛関連回路に組み換えている。この疼痛関連回路を再度人工的にアストロサイトを活性化させることで可塑性を誘導し、慢性疼痛を治癒へと導いた。アストロサイト特異的に活性化させる方法として、経頭蓋直流電気刺激を用いて神経活動を起こさない0.1mAという微弱な電流にてアストロサイトのカルシウム活動を起こし、疼痛を緩和効果の持続を起こした。この効果はS1アストロサイトのカルシウム活動を抑制すると失われ、S1アストロサイトが重要であることが示された。この治療メカニムズを探るため経時的にS1第5層神経細胞のスパインイメージングを行ったところ、治療群においてシナプス除去が亢進していた。更にS1における神経発火頻度および同期性の低下もみとめ、アストロサイトの活動調節によりS1における回路再編成が誘導されていると考えられた。この回路再編成を起こしている段階での分子変化を検討するとミクログリアのシナプス関連分子の変化がみとめられ、ミクログリアを介したシナプス除去が行われていたことが示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] Activated astrocytes as a therapeutic approach adjust noxious circuits in chronic pain2021

    • 著者名/発表者名
      Ikuko Takeda, Dennis L. Cheung, Junichi Nabekura
    • 学会等名
      第44回日本神経科学大会
  • [学会発表] Modulating astrocyte activation reorganizes noxious circuits in chronic pain2021

    • 著者名/発表者名
      Ikuko Takeda, Hiroaki Wake, Junichi Nabekura
    • 学会等名
      第3回グリアデコ領域会議
  • [学会発表] Modulating astrocytes activation reorganizes noxious circuits in chronic pain2021

    • 著者名/発表者名
      Ikuko Takeda, Dennis L. Cheung, Hiroaki Wake, Junichi Nabekura
    • 学会等名
      第99回日本生理学会
  • [学会発表] 一次体性感覚野のアストロサイトによる慢性疼痛への治療的アプローチ2021

    • 著者名/発表者名
      竹田 育子、Dennis L. Chung、和氣 弘明、鍋倉 淳一
    • 学会等名
      第127回日本解剖学会総会・全国学術集会
  • [学会発表] Modulating astrocyte activity reverse allodynia in chronic pain2021

    • 著者名/発表者名
      竹田 育子
    • 学会等名
      第11回生理研ー霊長研ー新潟脳研シンポジウム

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公開日: 2022-12-28  

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