NASHを含めた生活習慣病では腸内環境の変化が疾患に大きな影響を及ぼすと考えられている。NASH においては腸内細菌叢が増大し、さらに腸管壁透過性亢進も加わることで、多量の腸内細菌産物が門脈に流入し、肝臓に達する。それらによりマクロファージが刺激を受け、炎症性サイトカインやケモカインを産生し続ける。これらの制御はNASH 治療における新たな可能性と考える。腸管透過性測定はラクツロース・マンニトールテストがゴールドスタンダードであるため本試験を用いて評価し、尿中のラクツロース・マンニトール比が有意に亢進した症例は腸管透過性が高い症例である。今回コロナ禍にて中断していたヒトに対する研究をすすめ、またNASHモデルのマウスの実験を開始した。腸管透過性亢進によるNASH群において、NASHを改善させる効果が期待できるかどうかについても検討を行った。そのためにはC57BL/6J マウスにマウスに腸粘膜バリアを破綻させる負荷をかけ、軽度、中等度、重度の 腸管透過性亢進を引き起し、MCDHFDを投与して腸管透過性亢進NASHモデルマウスを作成した上で、発現が増強したmicroRNAの機能を阻害するという手法、もしくは発現が減弱したmicroRNAを補充するという手法により、投与前後における血清学的及び組織学的にみられる変化について検討を行うこととし、NASHモデルマウスを作成し現在、血清/組織学的に変化するmicroRNAを同定した
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