研究課題/領域番号 |
20K16528
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
徳重 明央 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70780287)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 腫瘍循環器 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、Drp1関連miRNAのmiR-499、miR-30及びmiR-140を測定し、これらと未治療がん患者の心機能、血管内皮機能、がん重症度、がん治療による心毒性との関連を検証し、ミトコンドリアダイナミクスの心毒性リスク予測の新規ツールとしての妥当性を明らかにすることである。そのために1)未治療がん患者に対してmiR-30・miR-499・miR140濃度を測定し、心機能・血管内皮機能、がん重症度との関連の検討、2)miR-30・miR-499・miR140の抗がん剤治療後の心毒性リスク因子としての臨床的意義の検討、の2点を検討することである。本研究では、当院外来・入院患者で未治療がん患者に研究同意書を取得後、症例登録を行う(150名登録予定。年齢20歳以上)。ミトコンドリアダイナミクス関連指標のmiR-30・miR-499・miR140用の採血を通常採血時に同時に採取し、得られた測定値と従来の心機能、血管内皮機能指標(BNPも含めた生化学データ、心エコー検査、FMD検査で得られた各計測値など)を比較検討する。これらの解析により1)miR-30・miR-499・miR140と従来の心機能・血管内皮機能指標との関係、がん重症度との関係、2)miR-30・miR-499・miR140が抗がん剤治療後の心毒性リスク因子となるかを明らかにすることができる。本年度は、プロトコール作成、倫理審査提出を行い、研究を開始し、鹿児島大学附属病院腫瘍センターで治療を実施する20歳以上の初めてがんと診断された未治療症例に同意を取得し、登録を進めFMDによる血管内皮機能測定、心エコー検査、miRNA測定を行う予定であったが、コロナ禍での患者減少、診療科協力体制の構築困難となり、研究の進捗が大幅に遅延した。昨年度は、miRNA測定系、血管内皮機能関連検査測定、FMDの安定した測定体制の構築、各科の協力体制(腫瘍センター)の構築、プロトコール作成、プロトコール作成や測定系の測定系構築を引き続き行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、プロトコール作成、倫理審査提出を行い、研究を開始し、鹿児島大学附属病院腫瘍センターで治療を実施する20歳以上の初めてがんと診断された未治療症例のうち、これまで心筋梗塞、心不全の既往がない症例に同意を取得し、登録を進め、FMDによる血管内皮機能測定、心エコー検査、miRNA測定を行う予定であったが、コロナ禍での患者減少、診療科協力体制の構築困難となり、研究の進捗が大幅に遅延した。 それとは別に、新しい術前DVT(深部静脈血栓症)確率スコアの開発の研究を行い、論文化を行った(Hamamoto Y, Tokushige A, et al. J Cardiol. 2022 May;79(5):664-670.)。 更に、急性冠症候群のmiRNAに関する論文ならびに確率スコアの癌患者における有用性の検討を行った論文を投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
がん治療関連科との連携をより強化し、治療前患者の紹介、受診、登録までの流れを整理する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定より研究進捗が遅延し、予算使用額を下回った。miRNA測定用キット(プライマー、マイクロプレート、RNA抽出キット)、他生化学検査測定用ELISAキットの購入に使用する予定である。
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