心不全は心臓のポンプ機能低下により全身臓器のうっ血と低灌流を来たし、多臓器不全は心不全の不良な予後と関連している。しかし、腹部臓器の結構動態を評価する非侵襲的手法は確立されていない。また肝臓由来液性因子であるヘパトカインが恒常性維持に重要な役割を果たすことが分かってきたが、肝臓のうっ血や低灌流によるヘパトカイン分泌異常などの詳細は検討されていない。 本研究では腹部超音波検査による非侵襲的な腹部臓器の血行動態評価法の有効性が示唆された。また既知のヘパトカインSelenoprotein-P/fetuin-Aの、肝血行動態との関連、および心不全・多臓器連関のバイオマーカーとしての有益性が示唆された。
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