TCZは関節リウマチなどの慢性疾患の治療のみならず、近年ではCOVID-19などによるサイトカイン放出症候群(CRS)の治療にも適用が拡大され、急性期治療時の効果確認の必要性が増加している。本研究は、慢性疾患の治療効果を確認するための感度としては不十分であったものの、これまで報告されているいずれの分析法と比較しても迅速性の面で極めて優れていることから、緊急性の高い場面における治療効果確認においては有用な手法となる。また、開発した選択的沈殿法は、抗原-抗体反応を用いない物理化学的手法あることから、マウス由来のアミノ酸比率の異なるキメラ型抗体やヒト型抗体に対しても有用であることが期待される。
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