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本研究では、抗酸化作用とネクロトーシス抑制作用の両方を兼ね備えた化合物を探索することを目的とした。申請者は、スクリーニングより抗酸化作用を有し、かつ計算化学によりRIPK1(ネクロトーシス誘発経路の調節蛋白質)との結合部位がNec-1(既存のネクロトーシス抑制剤)と同等なスコアを示す候補化合物を抽出した。 初年度は、培養神経細胞における酸化ストレス傷害(H2O2処置)に対して、強い細胞保護効果を示したフェルラ酸誘導体41(FAD041)を見出した。さらに、酸化ストレス条件下、FAD041の酸化による産生物(FAD041-C)にも強い細胞保護効果があることを明らかにした。次年度からは、神経培養細胞を用いて化合物の細胞保護作用機構を検討した。最終年度には、虚血性脳血管障害動物モデルを用いてFAD041とFAD041-Cの脳保護作用効果を比較検討する予定であった。しかし、動物実験に供給される化合物の合成経路の確立に予想以上の時間がかかり、動物実験の実施はできなかった。かわりに、Neuro-2a神経培養細胞におけるH2O2処置に対する化合物の細胞保護作用メカニズムをさらに詳細に検討した。FAD041とFAD041-Cの細胞保護効果には、抗酸化作用が寄与するかを検討した。その結果、H2O2処置下に増加した酸化ストレスマーカー(4-HNE、8-OHdG)と活性酸素種(ROS)は、FAD041とFAD041-Cにより顕著に抑制されることが明らかになった。そのことから、酸化ストレス傷害に対するFAD041とFAD041-Cの強い細胞保護効果には、化合物の抗酸化作用が寄与する可能性が示唆された。現在、H2O2処置による細胞死に対して、様々なプログラム化された細胞死の抑制剤を添加した場合、FAD041とFAD041-Cの細胞保護効果への影響を検討中である。
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