研究課題
本研究の目的である「7種ヘルペスウイルスのddPCR法構築による高感度検出法開発」を鑑み、我々が構築した既存のreal-time PCR法のプライマー、プローブセットを基盤にddPCR測定系を構築する。さらに既存real-time PCR法と新規ddPCR法での測定を比較し、未診断例の中で新たに起因ウイルスが同定できた症例について、臨床像を後方視的に調査し臨床的特徴をまとめる。そして適切な抗ウイルス薬投与推進と不適切な抗菌薬投与の関係を解析する事を目的としている。本年度は、HHV-6のddPCR測定系を構築した。既存real-time PCR法のプライマー、プローブセットの有用性確認、アニール温度、反応時間を検討し、増幅効率が高い条件を選定する。またTemplate DNA量を増量することでより高感度化を試みたが、結果は変わりなかった。その結果、実験室株であるHST株感染細胞由来DNAを段階希釈し、real-time PCR法とddPCR法で解析した結果、検出限界値はほぼ同等であったが、real-time PCR法でHHV-6未検出であった4検体中3検体は、ddPCR法で検出可能となった。
3: やや遅れている
HHV-6のddPCR測定系を構築した。しかしなら新型コロナウイルス感染症のため、研究の全体進捗としては経過に遅れが生じている。
本年度に引き続き、既存のreal-time PCR法を基盤に、ddPCR測定系を構築、既存法との比較を実施する。また継続的に収集した脳炎・脳症検体について測定し、既存法と比較を行いたい。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等により、研究代表者が学内の検査対応に従事した事、予定していた出張の延期等があった。この状況に対応して予算の一部については2021年度に使用することとし、2020年度請求額と合わせ、交付決定額全額を研究遂行のために使用予定である。
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