急性脳炎・脳症はあらゆる年齢層に生じる予後不良な中枢神経感染症であるが、病因、病態解明を含めいまだ多くの課題が残されている。その鑑別診断においては、現在の標準法であるreal-time PCR(qPCR)法を用いても、いまだ約半数が原因不明とされ、より高感度な検査法が望まれている。本研究ではddPCR法を用いた3種のαヘルペスウイルス検出法を確立するため、既存qPCR法との比較検討を行った。ddPCR法では現状のqPCR法を上回る結果を得る事は出来なかった。感度向上のためには、ddPCR法のサンプル添加量の増量、あるいは各ウイルス検出系毎の適切なアニーリング温度の検討など、改善の余地がある。
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