本研究では、心不全モデル動物を用いて鉄代謝調節機構が心不全合併貧血の治療標的になり得るかを検証し、心不全合併貧血に対する新規治療法を確立することを目的とする。
『プロリン水酸化酵素阻害薬が、十二指腸における鉄吸収関連蛋白の発現異常を改善し、心不全合併貧血を改善する』との仮説をたて、心不全モデルラットにプロリン水酸化酵素阻害薬を腹腔内投与した。その結果、心不全モデルラット十二指腸における鉄吸収関連蛋白の発現および貧血は改善傾向に進むことが明らかになった。本結果はプロリン水酸化酵素阻害薬の投与量に依存する可能性があり、今後投与量の再考は必要と考える。
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