研究課題
若手研究
心不全患者は、貧血を合併することが多い。本研究では、心不全合併貧血における生体内鉄代謝調節機構、特に十二指腸における鉄吸収関連蛋白の役割について、基礎研究より検討した。主に、心不全モデル動物を用いてプロリン水酸化酵素阻害薬の効果を検討したところ、十二指腸における鉄吸収蛋白発現が上昇し、心不全合併貧血は改善傾向に進むことが明らかになった。
循環器内科
高齢者人口の増加に伴い、心不全患者数は増加の一途を辿っている。これまでの心不全の病態解明により、様々な心不全治療薬が使用されているが、心不全患者の予後はいまだ不良であり、新たな治療介入法が期待されている。本研究では、心不全患者の予後規定因子である貧血に着目し、生体内鉄代謝調節機構、特に十二指腸における鉄吸収関連蛋白が心不全に合併する貧血の治療標的になる可能性を、基礎研究より明らかにした。本研究成果は心不全合併貧血の新規予防及び治療法開発に寄与するため、学術的意義、社会的意義は高いと考える。