本研究では、食事などの環境要因の受けづらい人間ドック受診時の唾液検体を用い、健常からメタボリックシンドローム罹患に至るまでの口腔内細菌叢の変化を評価した。対象者を健常群、メタボリックシンドローム群、肥満を伴わない代謝関連疾患群、疾患を伴わず肥満のみを認める群の4群に分け、それぞれの唾液内細菌叢の多様性、構成の違いを男女に分けて解析した。各群の細菌種の多さ、均等性を比較すると、男性の肥満のみの群で有意な多様性の低下を認めた。さらに、男性肥満群と、男性のメタボリックシンドローム群(肥満かつ疾患あり)群では有意な細菌叢構成の違いを認めた。
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