研究課題/領域番号 |
20K16567
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
横道 直佑 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床准教授 (50822938)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 腹水 / 腹腔穿刺 / 腹水濾過濃縮再静注法 / ランダム化比較試験 |
研究実績の概要 |
この研究の目的は、「がん患者の腹水を抜くと弱るのか」を解明することである。腹水貯留に伴う苦痛は穿刺して腹水を抜くことで緩和できるが、抜くたびに身体が弱ってしまうのではないかという患者や医師の懸念から腹水穿刺を躊躇する臨床場面がよくある。もし抜いても弱らない腹水穿刺の方法があるならば、患者は不必要に工夫に耐えていることになる。 本研究では申請者が行った予備試験と実施可能性試験の結果をもとに、抜いた腹水を体内に戻す治療方法(CART)の有効性・安全性を世界で初めて多施設ランダム化比較試験で検証する。腹水を有するがん患者をCART(抜いて戻す)群と腹水穿刺単独(抜くだけ)群に割付けて、腹水穿刺間隔や全生存期間を比較する。試験の登録期間は2年間を予定している。合計100名の患者を登録し、CART群と腹水穿刺単独群に1:1に割り付ける。腹水の溜まりにくさを示す指標として、腹水穿刺間隔を主要評価項目にする。 2020年4月~12月:実施可能性試験を行い、結果を解析した。 2021年1月~3月:実施可能性試験の結果を論文にまとめ、国内学会で発表した(第121回日本外科学会学術集会:2021年4月;Young Investigator's Awardを受賞した)。また、国際誌に投稿し受理された(Yokomichi N, et al. BMC Cancer. 2022; 22:218.)。 2021年4月~現在:実施可能性試験の結果をもとに、本試験のデザインを検討した。今後、研究参加施設を調整し、研究計画書を作成する。なお、COVID-19感染拡大の影響で研究の進捗に多少の遅れが生じており、試験開始は2023年夏になる見込みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19感染拡大の影響を受けて、実施可能性試験の結果の公表に時間がかかったことや、会議の実施が困難だったことから、研究の進捗に多少の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
研究の進捗に多少の遅れが生じているが、研究の計画に大きな変更はない。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響などで研究の進捗に遅れが生じたため、次年度使用額が生じた。研究計画自体には変更がないため、次年度にスライドして使用する予定である。
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