封入体ミオパチー病理診断例を対象とした網羅的ゲノム解析により、新たに2家系3症例にhnRNPA1遺伝子変異を確認し、多系統蛋白質症3型(MSP3)の診断に至った。そのことによりMSP3型変異保有骨格筋を用いたトランスクリプトーム解析が可能となり、hnRNPA1の機能と関わる複数のパスウェイがMSP3群で有意に抑制されていた。これらのパスウェイの主要な分子について、骨格筋組織および患者由来iPS細胞を用いて発現・局在に関する評価検討を行い、病的変化を確認した。また、MSP3型変異保有骨格筋において、300を超える分子に選択的スプライスパターンの変化が認められ、筋変性との関わりが示唆された。
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