研究課題/領域番号 |
20K16584
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
森 めぐみ 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60590437)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中條-西村症候群 / 封入体筋炎 |
研究実績の概要 |
中條-西村症候群患者を定期的に診察し、筋力低下・筋萎縮の分布や嚥下障害等の臨床症状、電気生理検査、画像所見、血液データ等の各種検査所見の変化を追跡した。 中條-西村症候群における筋症状である筋力低下や筋萎縮の分布は大腿四頭筋や手指屈筋群に強く、封入体筋炎の筋症状に類似する。しかし、中條-西村症候群では、病勢と相関して発熱、凍瘡様皮疹や紅斑を伴い、これらは自己炎症性疾患である中條-西村症候群に特徴的であった。骨格筋MRIでも、筋力低下・筋萎縮を呈する大腿四頭筋や手指屈筋において高信号変化がみられた。また、電気生理検査(針筋電図)を実施した症例では、筋原性変化を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和3年度は中條-西村症候群の臨床所見や既存の検査データの解析が中心となったため、生検筋による病理学的研究は当初予定より遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度、本年度に収集した中條-西村症候群患者の臨床症状、各種検査所見を引き続き解析し、封入体筋炎との類似点や相違点を検討する。 さらに、中條-西村症候群と封入体筋炎の生検筋に対し、ユビキチン-プロテアソーム系や選択的オートファジーに関連する抗体で免疫染色をおこない、比較する。 また、中條-西村症候群のモデルマウスの生検筋についても免疫染色を実施し、患者さんの生検筋と比較・検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は、中條-西村症候群患者の臨床データの収集および、既存データの整理が主体となったため、予定していた病理学的研究や解析は遅延している。令和4年には蓄積したデータの解析、免疫組織学的研究を継続して実施する予定である。そのため、令和2、3年度で計上していたデータ解析用パソコン、実験器具、抗体、その他の免疫組織薬等の物品は令和4年度に購入・使用を予定している。
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