研究課題/領域番号 |
20K16589
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
斎藤 良彦 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第一部, リサーチフェロー (80811934)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ADSSL1ミオパチー / 筋病理 / ネマリンミオパチー |
研究実績の概要 |
本研究では、ADSSL1ミオパチーの筋病理所見において疾患特異的な所見や疾患の進行に伴う変化を見い出すことで、病態を解明し疾患概念を確立することを目指している。さらに、ADSSL1ノックアウトマウスと、ミスセンスのノックインマウスはすでに作製しており、作製した本マウスは将来的には治療法の開発にも利用できる非常に重要で価値のあるものと考える。 [1] ADSSL1ミオパチー63症例における病理所見の解析により、何れの例も小児期発症で極端に足が遅く疲れやすかった。筋力低下は約半数で近位・遠位ともに障害されていた。進行は緩徐で老年期まで歩行が保たれていた。加えて、これまで報告のない嚥下障害や肥大型心筋症、拘束性呼吸障害を高頻度に認めた。筋病理では全例でネマリン小体、脂肪滴を認め、日本で最も頻度の高いネマリンミオパチーであることを示した。これまで韓国から報告されていた、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーとは異なる、本遺伝子異常による共通の表現型を見出し論文化した。 [2] 日本人63症例で見い出した変異として最も多いのはミスセンス変異とナンセンス変異を複合ヘテロ接合性にもつパターンであり、韓国と日本で共通する創始者変異と考えられている。すでに、CRISPR/Cas9システムを用いてADSSL1遺伝子のノックアウトマウス、変異ノックインマウスを作製し、ノックアウトとノックインを複合ヘテロ接合性にもつマウスを作製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ADSSL1遺伝子のノックアウトマウスの出生数が少なく、ノックアウトとノックインを複合ヘテロ接合性にもつマウスと共に、対象となるマウスの出生数を増やしている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
現在作成が完了しているADSSL1遺伝子のノックアウトマウス、変異ノックインマウスを作製し、ノックアウトとノックインを複合ヘテロ接合性にもつマウスが、疾患モデルマウスとして適切かどうかを評価する。 1) プリンヌクレオチド定量:高速液体クロマトグラフィーにより疾患モデルマウスの骨格筋を用いて、ATP、ADP、AMP、GTP、GDP、GMPを定量測定し、実際にATP、ADP、AMPが減少し、モデル動物として適切か評価が必要である。 2) 生理学的・病理学的解析:マウスの体重、ロコモーション、運動量、握力を生後発達期からモニターするとともに、単離筋にて筋張力および反復刺 激による伸張性収縮を解析し、骨格筋の機能を解析する。また同マウスの筋病理を解析し、週数に伴う進行性変化があるかを検証する。また、 ヒト患者の筋病理像と比較、解析を行う。
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