研究課題
若手研究
本研究では、ADSSL1ミオパチーの筋病理所見において疾患特異的な経過として、小児期発症で極端に足が遅く疲れやすく緩徐進行生の筋力低下が共通し、筋病理 では全例でネマリン小体、脂肪滴を認め、日本で最も頻度の高いネマリンミオパチーであることを見出した。加えて、これまで報告のない嚥下障害や肥大型心筋症、拘束性呼吸障害を高頻度に認めることも見出した。さらに、ADSSL1ノックアウトマウスと、ミスセンスのノックインマウスを作製し、病態解明並びに治療法の開発を進めている。
筋病理学(遺伝性筋疾患)
ADSSL1ミオパチーは希少疾患の中でも日本人で現在70名以上診断させている日本で最も頻度の高いネマリンミオパチーであり、本疾患の原因遺伝子はATP de novo合成経路に関わるため代謝性疾患の側面を持ち、治療法開発へ発展させることのできる疾患である。動物モデルを用いて本遺伝子異常による病態や病理に踏み込んでおり、疾患特異的な治療法開発に至ることのできつつあり、他疾患の治療法開発のロールモデルとなり得る可能性がある。