筋萎縮性側索硬化症(ALS)は成人発症難治性進行性の致死的な神経変性疾患である。病態は未解明で根本的治療法はない。 PHOX2BはALSで発症後長期まで保たれる自律神経等に多く含まれるが、これまでALSとの関連が指摘されていなかった。PHOX2Bの下流に位置する治療標的を見出すことは、ALS病態解明と新規治療法開発につながると考える。さらにPHOX2B mRNAはTARDBP mRNAやそのタンパクTDP-43との相互作用や結合が確認され、PHOX2B下流の治療標的研究は、患者病理でみられるような細胞内TDP-43異常凝集をきたす神経筋疾患群の病態研究にも貢献する可能性がある。
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