研究課題/領域番号 |
20K16598
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
後藤 和也 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (50852125)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 音楽療法 / 認知症 / パーキンソン病 / 非薬物療法 / オンライン |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、当初予定していた患者と音楽療法士の対面による音楽療法からオンラインによる遠隔での音楽療法へと方針転換し、その具体的内容についての検討を医師と音楽療法士で行った。まず初めにZoomやWebEx、Teamsなどを用いてリアルタイムで音楽療法を行う場合、タイムラグが非常に大きく実施は難しいことは昨年度に判明していた。そのため、事前に音楽療法士による演奏の動画を作製し、それを画面共有して動画を再生することで解決を試みた。 しかし、上記のWeb会議ツールでは動画の再生がスムーズには行えず、タブレットなどの端末を2つ用いて動画のみの閲覧用とリアルタイムでの交流用で音楽療法を実施する方法を試験的に行い、オンライン音楽療法が可能であることを確認した。 次に、音楽療法は一人当たり計8回行う計画であるため、動画を複数作製する必要があり、その作業を進めた。また、用いる音楽に関しては著作権があるかを確認し、関連法規に従い対応するようにした。その他、統計専門家を交えてデザインなど問題がないかチェックし、倫理委員会へ書類の提出を行った。現在は審査中である。 今後は倫理委員会の承認後、京都大学へ通院しているパーキンソン病の患者からリクルートを開始する予定である。 新型コロナウイルス感染症の流行により生活様式が大きく変わり、人と接する機会も減った患者さんにとってもオンライン音楽療法で認知機能や精神面、運動機能などへ効果を示すことができれば非薬物治療として大きな意義を持つと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の感染流行状況は2021年度も変わらず、オンラインによる音楽療法へと変更した。まずはオンラインで音楽療法を実際にテストして問題点を抽出し、方法を修正した。これまでにオンラインでの音楽療法を試みたことはなく、自分たちで試行錯誤しながら方法を確立したため時間を要し、遅れる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、倫理委員会の承認申請を行っている状況で、承認後に患者のリクルートを開始する予定である。医師、音楽療法士、患者いずれもオンライン音楽療法は初めての試みであるため、問題点が生じた場合にはその都度、修正して進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行により大幅な計画変更が生じたために次年度まで研究を延長する必要が生じた。次年度には音楽療法士へのセッション代、コーディネーターへの勤務代、臨床心理士への検査施行代、患者への謝礼を含めた人件費、学会参加費や論文投稿料などに使用する計画である。
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