研究課題/領域番号 |
20K16599
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
近藤 孝之 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点講師 (80536566)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / アストロサイト / iPS細胞 |
研究実績の概要 |
アルツハイマー病は、高齢化社会の到来ともに激増することが予測されるが、治療法は限られる。本研究では、アルツハイマー病病態の理解のために、脳内で最も数が多い細胞種であるアストロサイトに焦点をあてる。 老化過程を経てどの様に病態を形成するのか明らかにし、最終的に、構築された病態モデルに基づいて、治療および予防法開発につなげるために、患者のiPS細胞からアストロサイトを調整するため、分化誘導法の改良に取り組んでいる。 アストロサイトの分化誘導には、数ヶ月以上の期間を要していたが、この過程をより簡便かつ短期間で行うために、神経系発生関連転写因子の強制発現による分化誘導法の検討も合わせて行った。 また、アルツハイマー病の90%以上を占める孤発性アルツハイマー病はモデル化することが困難であった。アストロサイトで孤発性アルツハイマー病でモデル化するためのプラットフォームづくりとして、100名を超える孤発性アルツハイマー病患者の細胞を用いた遺伝的背景の探索基盤となる、CDiP法を開発した。 今後、アストロサイトの分化誘導系とCDiP法を組み合わせアルツハイマー病のアストロサイト病態の解明を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アストロサイトの分化誘導過程を簡略化する誘導法の開発が概ね完了した。また、アストロサイトをもちいて孤発性アルツハイマー病をモデル化し、遺伝的背景を探索するためのプラットフォームであるCDiP法を確立したため、計画は順調に進呈していると考えた。
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今後の研究の推進方策 |
新しいアストロサイトの分化誘導法を用いて、アルツハイマー病のアストロサイト病態の解明を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
分化誘導法開発に時間を要し、経費のかかる病態アッセイが後ろ倒しでの実施となる見込みのため。
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