認知症をきたす疾患の一つである突発性正常圧水頭症では脳脊髄液の過剰な貯留がみられる。この過剰な貯留が脈絡叢での概日リズムの破綻からもたらされると仮定して、脈絡叢からの脳脊髄液の産出に関連する遺伝子の日内変動について検討した。 脳脊髄液産生に概日リズムをもたらすと仮定した候補因子のうち、Glut1 mRNAの発現のみが日内変動を示した。他の因子では有意な日内変動は認められなかったが、いくつかの因子(AQP1、NKCC1、Claudin2 )においては、約6時間周期での発現変動が認められた。一方で、AQP1タンパク質、Claudin2タンパク質の第4脳室脈絡叢での発現には有意な日内変動が示された。
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