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2020 年度 実施状況報告書

セロトニン作動薬による骨格筋障害の分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K16609
研究機関東京医科大学

研究代表者

川幡 由希香  東京医科大学, 医学部, 助教 (80778473)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード骨格筋 / セロトニン / セロトニン症候群 / 横紋筋融解症 / ゼブラフィッシュ
研究実績の概要

セロトニン症候群は、セロトニン作動薬の服用により精神症状、神経筋症状、自律神経症状などが認められる疾患で、重篤な場合は、横紋筋融解症やミオグロビン尿症などの骨格筋障害を引き起こす。しかし、セロトニンにより骨格筋が障害される分子メカニズムの知見は乏しい。そこで本研究では、骨格筋におけるセロトニンの具体的機能を解明することを目指し、今年度は骨格筋におけるセロトニンの作用部位の同定を中心に解析を進めた。当初の計画通りゼブラフィッシュ成魚の骨格筋あるいはヒトの骨格筋を用いて、セロトニン受容体の発現部位を免疫組織化学法により特定することを試みたが、明確なシグナルを得ることができなかった。そこで、用いる試料および解析方法を追加して検討を行うこととした。ゼブラフィッシュ成魚の骨格筋、ヒトの骨格筋に加えて、ヒト骨格筋細胞株、ラットの骨格筋、およびマウスの骨格筋を用いて、ウェスタンブロティング法と免疫組織化学法でセロトニン受容体の発現解析を行った。その結果、ウェスタンブロティング法においてヒトの骨格筋、ラットの骨格筋、およびマウスの骨格筋で5-HTR2Aと5-HTR2Cのシグナルが得られ、骨格筋でセロトニン受容体が発現していることを示した。また、ヒト骨格筋細胞株では、現在までの解析結果においてシグナルが得ることができなかったため、使用する細胞株およびステージを変更して引き続き解析を進めている。免疫組織化学法を用いた解析では、現在のところいずれの試料においても明確な結果は得られておらず、さらなる検討が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

以下の理由により,計画よりも進捗が遅れている。
(1)新型コロナウイルス感染拡大防止の為に、入構制限や在宅勤務への変更を余儀なくされる状況となり、予定していた実験が一部実施できなかった。
(2)2020年12月より、産前・産後休暇および育児休業を取得した為、文献調査が中心となった。

今後の研究の推進方策

産前・産後休暇および育児休業の取得に伴い、補助事業期間延長承認申請を行うことを予定しており、復帰後は実施できていない内容を速やかに遂行する。
今後は、セロトニン受容体の発現が認められたヒトの骨格筋、ラットの骨格筋、およびマウスの骨格筋におけるセロトニン受容体の詳細な発現部位の同定を行う。さらに同様の試料を用いて、セロトニンのシグナル伝達経路の同定を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

産前・産後休暇、育児休業の取得に伴い、今年度使用予定であった物品費、学会参加費が不要となったため次年度使用額が生じた。未使用額は、研究再開後、申請書に記入した研究内容を遂行するための物品購入費、および成果発表を行うための学会参加費に充てることとする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Androgen-dependent sexual dimorphism in pituitary tryptophan hydroxylase expression: relevance to sex differences in pituitary hormones2020

    • 著者名/発表者名
      Kawabata-Sakata Yukika、Nishiike Yuji、Fleming Thomas、Kikuchi Yukiko、Okubo Kataaki
    • 雑誌名

      Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences

      巻: 287 ページ: 20200713

    • DOI

      10.1098/rspb.2020.0713

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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