研究実績の概要 |
2017年1月から2019年3月の間に当科でMLPA法を実施した323症例から、SMN1遺伝子のexon8の欠失があるために、long range PCR法が不可能な症例158症例を除外した165症例の主治医に説明同意文書、運動機能アンケートを送付した。また当院にかかりつけの患者13症例から説明同意を得た。9症例の主治医から、別疾患と診断済みであり、研究対象に該当しないと返事をいただいた。106症例から返信が無く対象とならなかった。解析対象63症例に対して遺伝学的解析を実施した。2症例において、遺伝学的にSMAと診断確定した。【診断症例1】9歳女児、【現病歴】1歳 気管切開,3歳 胃ろう噴門形成、【検査結果】SMN1 exon7 1copy, exon8 1copy、SMN2 exon7 2copy, exon8 2copy、【研究結果】 hemizygous 既報告変異を認めた。【症例2】56歳女性、【現病歴】12歳 左足の筋力低下を自覚,30歳代外出時に杖歩行,45歳車椅子使用、【家族歴】 両親いとこ婚(再度聞き取りで判明)【検査結果】SMN1 exon7 2copy exon8 2copy、SMN2 exon7 2copy exon8 2copymissense variant homozygous。 【研究結果】本研究でイントロン領域のSNVを多く認めた。これまで、long range PCR法とサンガー法での解析では、SMN1領域のイントロンのSNVは解析できなかった。今回、long range PCR法と次世代シークエンサーを用いたことで、SMN1のイントロン領域のSNVを検出した。今後データベースに登録を検討している。
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