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2020 年度 実施状況報告書

GABAアンタゴニスト投与による抗不安作用の検証

研究課題

研究課題/領域番号 20K16614
研究機関東北大学

研究代表者

梶田 裕貴  東北大学, 医学系研究科, 助手 (00791849)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードGABA / キンドリング / 不安障害
研究実績の概要

初年度は「短期と長期の痙攣誘発刺激が引き起こす抑制性細胞のGABA合成に与える影響の違い」を明らかにするための実験を行った。
ペンチレンテトラゾール(PTZ)の10回投与(1回/日)の段階でラットの痙攣ステージはラシーンの分類に当てはめると大体2-3(頭部や四肢の痙攣)程度であった。この時の動物の海馬におけるGAD発現量を定量解析したところ、GAD67には目立つ変化は無かったが、GAD65の発現が増加していることが分かった。この増加をGABAサブタイプ間(パルブアルブミン、ソマトスタチン、カルレチニン、コレシストキニン)で比較したところソマトスタチン陽性(SOM)細胞で特に顕著であった。
PTZ20回投与では痙攣ステージは4-5まで到達し、強直間代痙攣発作が全ての個体で確認された。この動物の海馬ではGAD65発現量は減少しており、同じくSOM細胞で顕著に見られた。GAD67には変化は無く、また、全体のGABA細胞数などの減少も見られなかった。
先行論文では、痙攣誘発刺激はGAD65発現を増加するという報告と減少するという報告が混在していたが、今回の結果から刺激回数により、GAD65はダイナミックに増減することが明らかになった。また、この変化がSOM細胞で顕著であったことから、錐体細胞の樹状突起への抑制入力に変化が生じている可能性が示唆された。この一連のGAD65変化は神経細胞の過剰興奮に対する抑制機構とその破綻を意味しているのではないかと考えており、今後更に研究を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

東北大学の動物実験棟が改修工事に入るため、飼育数を7割まで削減する必要があり、当初の計画よりも実験の規模を縮小する必要があった。

今後の研究の推進方策

少し実験に遅れは見られているものの概ね予定通りに進んでいるので、今後も当初の計画通りに実験を行っていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] PTZ投与によりGAD65発現量はダイナミックに変化する2021

    • 著者名/発表者名
      福田 湧希、梶田 裕貴、大柳 貴紀、川松 里穂、虫明 元
    • 学会等名
      第98回日本生理学会大会
  • [学会発表] Dynamic changes in GAD65 expression in somatostatin-positive interneurons during the acquisition of generalized epileptic seizures2020

    • 著者名/発表者名
      梶田 裕貴、福田 湧希、大柳 貴紀、川松 里穂、虫明 元
    • 学会等名
      第43回日本神経科学大会

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公開日: 2021-12-27  

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