研究課題/領域番号 |
20K16614
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梶田 裕貴 東北大学, 医学系研究科, 助手 (00791849)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 行動実験 / 不安様行動 / ラット |
研究実績の概要 |
2年目は「短期と長期の痙攣誘発刺激が引き起こす不安様行動変化」を明らかにするため行動試験を中心に研究を行った。 GABAA受容体アンタゴニスト、ペンチレンテトラゾール(PTZ)の投与(1回/日で隔日投与、40 mg/kg)10回目ではラットの痙攣ステージはラシーンの分類に当てはめると大体2-3(頭部や四肢の痙攣)程度であった。しかし、殆どの個体が3-5回投与の時点で、ステージ4-5の重度の痙攣を起こし、その後、6-10回目にかけて、徐々に減弱していくという過程を示した。PTZ10回投与から1週間後に、この動物に対して、オープンフィールド試験、明暗箱試験、高架式十字迷路試験を実施したところ、生理食塩水投与(CTL)群に比べ、不安様行動の低下が確認された。行動試験後、同個体に対して、PTZ注射を更に繰り返すと、20回投与の時点で、多くの個体がステージ4-5の痙攣を繰り返し起こすことが確認された。PTZ20回投与から1週間後、同様の行動試験を行ったところ、不安様行動の低下は見られず、CTL群と同程度の不安レベルを示した。また、PTZ10回投与後の抗不安作用が、より低濃度のPTZ投与でも得られるかを検証する為、4 mg/kgの量で実験を行った。この実験ではラットに痙攣発作は見られず、10回投与後の不安関連行動にもCTLと有意な差は見られなかった。 今回の結果から痙攣誘発刺激は短期でのみ、不安様行動を減少することが明らかになった。また、この抗不安作用には痙攣発作が引き金となっている可能性が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体的に予想通りに実験は進んでいるので、今後も同ペースで続けたい。
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今後の研究の推進方策 |
現在(2年目終了時点)までで、痙攣誘発刺激による海馬CA1におけるGAD65と不安様行動の変化が明らかになってきている。今後はGABA受容体などの変化を調べていくと共に、CA1以外の領域も調べていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験施設の移動に伴う飼育場変更の都合上、実験動物を当初の計画より削減したため、ラットの購入費、飼育費、投与薬物量に変更が生じ、次年度使用額が生じた。差分の実験に関しては次年度の計画と合わせて、行っていく予定である。
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