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2022 年度 実施状況報告書

GABAアンタゴニスト投与による抗不安作用の検証

研究課題

研究課題/領域番号 20K16614
研究機関東北大学

研究代表者

梶田 裕貴  東北大学, 医学系研究科, 助手 (00791849)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードGABA / 不安障害 / キンドリング / ラット
研究実績の概要

3年目の前半では、初年度に行った組織学的解析、次年度に行った行動学的解析を再度新しいラットを用いて、追加検証を行った。組織化学染色ではペンチレンテトラゾール(PTZ)の隔日連続の腹腔内投与(キンドリング)10回の時点で、以前と同様にソマトスタチン陽性細胞で有意なGAD65発現量の増加が確認され、これらラットで不安様行動の有意な減少が確認された。キンドリング20回の時点ではGAD65発現は生理食塩水投与(コントロール)群と同レベルまでGAD65発現は低下しており、これらのラットではコントロール群と同程度の不安関連行動を示した。
後半ではこららの結果を踏まえて、母子分離ストレスにより作成した不安障害モデルラットにPTZキンドリング処置により、不安様行動の低下を引き起こせるのかを試した。しかしながら、母子分離ストレスでは多くの先行研究で報告されているような不安様行動の増加を引き起こすことが出来なかった上(うつ様行動は増加した)、母子分離された仔間で行動異常の程度のバラつきが非常に大きかった。仔ラットを分離する時間帯や時期、方法などを様々に変えて試したが、同様の結果であった。
当初予定していた不安障害をキンドリング刺激により治療するという実験は行う事が出来なかった。しかしながら、GABAアンタゴニストの短期投与によりGAD65が増加し、不安様行動が減少するということまでは明らかにすることができた。これまでの先行報告ではPTZキンドリングによる不安様行動やGAD65発現の増減に関して、異なる報告が混在していたが、本研究によりPTZキンドリングは投与期間によりその効果はダイナミックに変動することが分かった。また、この結果は電気痙攣療法のメカニズム解明の足掛かりになると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

母子分離による不安障害モデルの作成が困難であったこと以外は問題なく遂行されている。

今後の研究の推進方策

最終年度は現在出ているデータを纏めて論文に報告する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 幼児期ストレスの時期特異性という新たなリスク因子の解明2022

    • 著者名/発表者名
      Kent Takabayashi, Yuki Kajita, Hajime Mushiake
    • 学会等名
      第93回日本動物学会 早稲田大会

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公開日: 2023-12-25  

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