研究課題/領域番号 |
20K16617
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森田 健太郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90868944)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 統合失調症 / リカバリー / 共同創造 / 患者・市民参画 / 精神科デイケア |
研究実績の概要 |
本研究では、デイケアに通所する統合失調症などの精神疾患をもつ当事者との協働を通して、回復の定義を考え直し、回復過程を可視化することを目指す。 本年度はデータの集積を引き続き実施し、有志の当事者と医療者が研究について話し合う検討会を2回開催した。検討会では、研究と現在の生活や治療の解離が指摘され、研究に関する前提知識とともに、研究をより身近に感じられる試みが必要との意見が出た。そのため、研究について当事者と医療者が共有する話し合いを引き続き定期的に開催する運びとなった。まずは、デイケア内の過去の研究の共有からはじめ、現在得られた知見の共有へと進んでいく。 データの集積において、質問紙や心理尺度を用いたデータ収集に14名が参加した (WAIS-IV:10件、WAIS-III:1件、BACS-J:12件、UPSA-B:12件、JART25:8件、 PANSS:21件)。既存のデータと合わせ、32名の横断での解析を実施した。また、治療における当事者と医療者の共同創造に関連する学会シンポジウムでの発表と論文発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
依然として新型コロナウイルス感染症を受け、検査を目的とした被験者リクルートに遅れが生じている。縦断データは不足し、横断データでの検討が中心となった。共同創造のための検討会は2021年度より開始し、当事者からみた研究に関する実際の意見聴取を行うことが可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
共同創造のための検討会を定期的に開催し、統合失調症などの精神疾患に関する研究について当事者と共有し、回復過程の可視化を協働しながら進めていく。また、患者・市民参画を推進するための研究の知識に関する英文資料の翻訳を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症流行に伴い、データ収集における被験者リクルートが依然として困難であった。次年度、データ収集を継続するとともに、研究の患者市民参画にむけた英文資料の翻訳などに活用する。
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