• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

妊娠期の抗精神病薬暴露が出生後の仔マウスへ与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K16628
研究機関愛媛大学

研究代表者

吉野 祐太  愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (10646243)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードマイクロRNA / 抗精神病薬 / 妊娠 / ハロペリドール
研究実績の概要

妊娠中にハロペリドールを投与されたマウスより出生した仔マウスにおいて、網羅的な遺伝子発現の変化を捉えるために、RNAシークエンスに提出した。その結果、神経系に関わる遺伝子発現の変化を認めた。統合失調症に関連するとされる、グルタミン酸、GABA系の遺伝子発現も変化していた。コンピューター上の解析よりこれら遺伝子発現を制御し得るマイクロRNAを推定、かつ過去の報告で統合失調症に関連するとされるマイクロRNA、miRNA-137-3pに注目した。miRNA-137-3pの発現は仔マウスにおいて発現低下しており、RNAシークエンシングの結果からNr3c1遺伝子を抽出し遺伝子発現を調べた結果、仔マウスにおいて発現上昇を確認することができた。更に、miRNA-137-3pがNr3c1遺伝子発現を調節しているかを明らかにするために、細胞培養を用いた研究を行った。Neuro2a細胞(マウス神経芽細胞腫)にmiRNA-137-3pをトランスフェクションさせmiRNA-137-3pを過剰発現した際に、Nr3c1遺伝子発現が減少することを確認した。それに加えて、マイクロRNAは遺伝子の特定配列(seed配列)に結合することで遺伝子発現を調節することが知られている。そのため、Nr3c1遺伝子のseed配列をpmirGLOベクターに導入し、miRNA-137-3pとともにNeuro2a細胞で過剰発現させた。細胞のルシフェラーゼ発光を測定した結果、miR-137-3pがNr3c1遺伝子のseed配列に結合することで遺伝子発現を調節することを確認した。
以上より、母体を介したハロペリドールが仔マウスのmiRNA-137-3p発現を変化させ、その結果Nr3c1遺伝子発現が変化することを明らかにした。

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi